日本の経済高度成長期の昭和の真っただ中、「金の卵」が卵の殻を破って成長していくストーリーの、NHK朝の連ドラ「ひよっこ」。
連ドラ開始のころは朝ドラの視聴率低迷番組と言われていましたが、主人公みね子(有村架純)が失踪していたお父さん(沢村一樹)と再会して以来、最高視聴率を更新。
ドラマの最終話予想が飛び交うほど、人気ドラマになった「ひよっこ」について、分析していきます。
◆NHK朝の連続ドラマの放送時間、視聴率ジンクス
「ひよっこ」は平成25年上半期NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」以降、朝ドラ初回視聴率がワースト1でした。
その後も視聴率は低迷18~19%台が続いたことから、期待外れでは?という声も上がっていました。
ところが、父親との再会から最高視聴率を更新するようになりました。
「ひよっこ」の視聴率を曜日で比較してみると、土曜日が高くなっているのが目立ちます。
出勤や通勤時間と重なる平日の朝にテレビを見れない人が、土曜日に「ひよっこ」を視聴しているということから、仕事を持つ男女や学生が見ている可能性が高いといえます。
「ひよっこ」は、これまでの朝ドラのファン層からさらに広がりを見せているようです。
◆朝の連ドラの脚本三作目! 岡田惠和のニクい演出
「ひよっこ」は、東京オリンピックが開催された時代の、日本が高度経済成長真っただ中。
日本中が夢と希望にあふれていた時代を描いています。
ドラマは、随所にノスタルジックさを表現し、桑田佳祐の主題歌も昭和の懐かしさを感じます。
今では関東圏ですが、交通手段も不便だったころの奥茨木村から東京へ集団就職するということで、セリフも方言で表現しています。
「アジャパー」や「ガチョーン」など、みね子と同世代の人々のツボにはまることはうなずけますが、その時代を知らない視聴者も、すんなり受け入れられるストーリーなのは、脚本家の岡田惠和の温かみのある、視聴率に振り回されない演出があるからではないでしょうか。
◆ドラマのラストはどうなる? 「ひよっこ」は最終話の予想!
「ひよっこ」は前作の「べっぴんさん」と異なり、実在のモデルが存在しません。
実話であれば、ラストやあらすじはだいたいわかりながらドラマを見ることが出来ますが、「ひよっこ」はそうはいきません。
通常のドラマであればある程度が予測がつくのですが…。今までの朝ドラとは違い、なかなかヒロインがお相手役とくっつかないのです。
島谷くんとみね子がいい雰囲気になったと思ったら、予想外の別れがあったり。
島谷君はやっぱりみね子が忘れられず、家を捨てて東京に戻ってくるのが大方の予想…。でもまだ一波乱ありそうな予感もします。
また、1964年生まれの設定なので、現在も元気に過ごしている70歳前後の方々と同世代。
ストーリーがどうなるかわからないからこそ、自分の生き方になぞらえるなど、視聴者の空想も膨らみます。
また、懐かしい時代であっても、演じる人々がイキイキしているので、古臭さを感じません。
だからこそ幅広い年代に楽しまれているのではないでしょうか。
YouTubeにおされ気味のテレビドラマの視聴率は、最近は10%を超えるのも大変といわれます。
しかし、朝ドラに限っては合格ラインが20%台。厳しいようですが、それほど国民に愛されている番組枠なのでしょう。