略奪愛、奪う側か奪われる側か。いずれにしても、泥沼化すれば修羅場になる。「奪う」幸せもあれば「奪い返す」幸せもある。もしかしたら、奪われて清々することもある。ここでは、<あぶない女>との修羅場を乗り越えた女性の体験を紹介します。
■1本の電話が略奪愛・修羅場への始まり
平凡な主婦に訪れた突然の<夫の裏切り・浮気>。
綾子さん(仮名)は45歳。パート勤め。
夫は同い年の地方公務員。結婚して20年。子どもは長男・高校生と長女・中学生。
マイホームのローンと子どもの学費で節約の日々。
どこにでもいそうな主婦、綾子さんが夫の裏切り・浮気を知るキッカケとなったのは、1本の電話。
スマホではなく自宅の電話にかかってきた。その電話が“略奪愛・修羅場”へのスタートだった。
「秀樹(仮名)さんいますか?」
聞いたことのない女の声。
自宅に電話がくるなんて、スマホの電話番号を知らないのかと、不思議に思いながらも、夫に電話を取り次ぐ。
ぎこちない夫の態度が“あやしい”
でも、このときはそれだけ。
“夫が浮気をするなんてあり得ない”
“家族を裏切るわけがない”
「この根拠のない自信が夫の浮気発覚を遅らせた」と綾子さんは言います。
■夫の浮気相手はあぶない女
綾子さんはこの時の電話を
「今思えば、あの女は自分の存在を私に教えたかったのだ」と言い切ります。
―― それは確かにそうでしょう。
わざわざ自宅にかけてくるなんて、それ以外考えられません。
この時から夫の浮気相手は<あぶない女>に豹変。
・夜中の自宅の電話。ワンギリ。
・スーツのポケットに入っているハンカチにアイロンがかけてある。
(普通、帰宅したらハンカチに使用感があるのに)
・「部下からもらった」というブランド物のネクタイ
(もちろん、それは<あぶない女>からのプレゼント)
・休日に突然の外出
(その前に必ずスマホが鳴り、自宅の電話も鳴り、出ると切れる)
・お財布の中に見知らぬカフェのレシート
(仕事場でも自宅付近でもない場所のカフェのコーヒー代)
・頼んでもいない宅配が届く
(宛名は夫。中身は時計や衣類、飲料などいろいろ)
まだ、ここまでは耐えられる攻撃。
「夫の裏切り・浮気を確信していませんでした」
―ー この疑いの生活から一気に事態が変わります。
綾子さんは、一気に「修羅場」への足取りを語りました。
■浮気の決め手は真面目夫の無断外泊
綾子さんが夫の浮気を確信したのは、<あぶない女>の攻撃(自宅への電話)があってから、1カ月ほどしたころ。
夫の外泊でした。
『出張なんてほとんどない仕事。結婚してから外泊したことは、ほとんどない。
旅行や出張など外泊のときは、当然ですが前もって知らせている。
“真面目”だけが取り柄の夫が外泊。それも無断で……。
電話をしても繋がらず、最初は“浮気”というより“事故?何か事件に巻き込まれた?”という思いもありました。
でも、それまでの経緯から頭をよぎるのは、電話の女。
どんな女かもわからない、ただ攻撃をしてきている“あぶない女”の存在。
翌日、帰宅した夫に問い詰めました。
「どこに行っていたの?」
夫は無言でした。
それが答えだと思いました。
「浮気してるの?相手は誰?」
それにも答えない夫。
その日から、外泊の頻度が増えていきました。
夫婦の会話は薄れ、外泊は暗黙の了解のようになる。
私がいきり立って怒鳴っても、泣いても、夫は無言のままでした。
そんなある日“あぶない女”から電話が。
私が電話にでると開口一番に
「秀樹さんと別れて!お願だから別れて」
そこから、夫とのなれそめから“どれだけ愛されているか”をアピールしてきました。
電話を切ると、またかかってきます。
「いい加減にして」
と怒鳴っても変わりません。
夫の浮気相手“あぶない女”の攻撃はエスカレート。
電話だけではなく、私の携帯にもメールが来るようになりました。
(メールアドレスは、夫経由で知ったのでしょう)
毎日、毎日。
呪いのメールのごとく。
一番の恐怖は、子どもに話されること。
思春期の子どもには、内緒にしておきたかった。
だから「子どもには内緒にして」となぜか私がお願いをする。
おかしな関係になりました。
この頃から、夫は家に戻らなくなりました。
いずれはわかることだろう、と思いながらも子どもには
「お父さんは、出張が増えた」と嘘を言いました。
誰にも言えませんでした。苦しくて、辛くて、寂しくて……』
―― 「この時の感情は言葉では表せません」と綾子さん。
<続きはこちら>>>略奪愛・成功or失敗 修羅場を乗り越えた女の実録 あぶない女<2>