略奪愛、奪う側か奪われる側か。いずれにしても、泥沼化すれば修羅場になる。「奪う」幸せもあれば「奪い返す」幸せもある。もしかしたら、奪われて清々することもある。<あぶない女>との修羅場を乗り越えた女性の体験を紹介。【略奪愛・成功or失敗 修羅場を乗り越えた女の実録 あぶない女<1>】の続きをどうぞ。
■いよいよ相手の女と対面!修羅場のピークへ
夫のいない家庭。
子どもにわからせなために、元気な母を演じながら、生活のためにパートの仕事も休めない。
疲れがピークに達したとき、綾子さんは決意しました。
“このままでいいわけがない”
ちょうど、子どもの受験シーズンということもあり、モヤモヤした状態から解決の道を探し始めたそうです。
まず一番にしなければいけないのは“どんな女か確かめること”
荷物(下着やスーツ)をとりにきた夫に「女に会わせて欲しい」と綾子さんから頼んだそうです。
『渋る夫の携帯を無理矢理奪い取り、浮気相手の女に電話。
夫からの電話だと思い、電話にでた女の声は、弾んでいる。
私にかけてきた地獄の声とは違う、甘ったるい声。
“気持ち悪い”声に、吐き気を覚えながらも
「会いましょう、ちゃんと話しましょう」と言うと、女は“離婚してもらえる”と思ったようです。
女と会ったのは翌日。
ふたりだけで。
夫には「来ないで」ときつく言いました。
夫がいない方が、女を観察できると考えたからです』
― 綾子さんの目の前に現れたのは、若くもない女。地味で普通の主婦のような感じの女でした。
綾子さんの夫の浮気相手は
・一人暮らし
・バツイチ35歳
・離婚したばかり
「離婚の寂しさ、孤独を夫で埋めていたのだと感じました」と綾子さん。
この判断はほぼ正解だと思われます。
不倫相手は、若い女性よりも、ちょうど30~40の女性のほうが<あぶない女>になりがち。
・子どもが欲しい年齢
・高齢出産の年齢
・次の恋はないかもしれない、という不安
・結婚への焦り
これらが<あぶない女>にさせていくようです。
■略奪されたら略奪する・妻の攻撃
浮気相手との対面は長い時間をかけて、何度もふたりだけで話し合いをもった綾子さん。
「話し合いにならないことも多くて……。女の部屋に無理矢理上がりこんだときもあります。
お互いに感情的になって、とっくみあいにもなりました。ドラマみたいだけど、現実にもあるんですよね。冷静になれないと、今度は復讐のことばかり。今度は私のほうが、あぶない女だったかもしれません」
間に入った夫の言葉がとても少ないのが印象的な綾子さんの話。
修羅場は、もっぱら浮気相手との対面での出来事だったようです。
「この頃になると、夫はもう女のところで暮らし始めていました。話し合うといっても、どうにも結論は出ません。離婚も考えましたが、すんなりと引き下がるのは嫌でした。それに、子どものこと、マイホームのこと、いろいろ考えたら、簡単に離婚などできませんでした」
「最初の頃は、夫に電話やメールを頻繁にしていました。それこそ、数えきれないほどメールを連続で送りつけたこともあります。
それがひとしきり終わると、今度は冷却時間を置きました。
なんだか、攻撃することに疲れてしまって……。
女からは相変わらず、電話もありました。別れてほしいと泣いてみたり、秀樹さんは私のものだと強きであったり。感情がいつも揺れている女。でも無視しました」
そして2カ月後。
事態は急変。
突然、夫が帰宅。
おどおどしながら、玄関に立つ夫は、深く頭をさげ謝罪。
「女と別れ戻ってきた夫に、激怒する感情はなくなってた。ただ、子どもたちにはわからないように、夫婦として、家族として再構築すべきだと強く思った瞬間です」
「夫が帰ってきたのは、金銭的なことも大きかったでしょう」
夫のお給料は綾子さんが管理。クレジットカードも綾子さんが持っています。
「女のところにいったところで、生活費を入れることができなかったはずです。そんな生活は長くは続くものではありません。
“金の切れ目が縁の切れ目”
あれほど夫に執着していた、あぶない女もすんなりと別れたようです」
―ー 最終的に<あぶない女>から夫を奪い返した綾子さん。
今回の略奪愛。妻である綾子さんが夫を奪い返したポイントは、冷却期間を置いたことでしょう。
別居してわかる “愛情” “生活” “家族”。
それをお互いにわかりあえた期間なのでしょう。
■略奪愛の教訓 “家庭に癒しを”
今回の綾子さんの夫のように“真面目夫”ほど、遊びで終わらせることができず、本気になりがち。
修羅場を迎えるのは、案外“真面目夫”のほうが多いようです。
“うちの夫は真面目だから”
“まさか、うちの夫に限って浮気なんてするわけがない”
それが落とし穴。
気づいたら“夫は他の女にメロメロ”ということもあるのです。
夫婦歴が長いと、お互いに安心していることがあるでしょう。
でも、たまには、夫の行動をこっそりとチェックしておくといいかもしれません。
その前に、まずは、家庭を癒しの場に。
疲れているのは、女だけじゃない。
男も同じように疲れているのですから……。
一未