「不倫なんて最低」と否定していたのに、突然の胸キュン。戸惑いながら抑えることのできない感情に身も心もまかせ、走った愛の行方は……。
■不倫絶対反対派の私と彼との出会い
まさか、自分が不倫をするなんて思ってもいませんでした。
彼に会うまでは……。
彼は、子供のサッカーチームのコーチ。週に一度、ボランティアで子供たちにサッカーを教えています。
「サッカーをやりたい」という子供(小学生)の意見を聞き入れ、ご近所の友達と一緒に息子がサッカーチームに所属したのが彼との出会い。
“若くてカッコイイ”コーチは、ママさんたちのアイドル的存在。私の中では、あくまでも彼はコーチであって、恋愛対象ではありませんでした。子供の送り迎えや、試合の応援で顔を合わせても、挨拶程度の関係でした。
ところが、ある日を境に彼の存在が大きくなっていったのです。
■不倫も恋愛。心の揺れる瞬間がある!
その日は、夏休みに入って間もなくのこと。「熱中症に注意」と毎日のように、メディアが流していました。
サッカーの合宿ということで、張り切っ子供が出かけてから一日が経過したお昼過ぎ。
「すぐに○○病院へ来てください」と慌てた様子の彼から電話がありました。子供が熱中症で入院したという知らせでした。けれど、その病院は、合宿先。車で2時間はかかる場所です。車の運転をしない私は、夫に連絡することにしたのです。
ところが、夫に何度電話をかけても出ません。仕事中のはずなので、会社に電話をすると「お休みしています」と言われ驚きました。
結局、夫への連絡を断念し、電車を乗り継いで病院まで行きました。子供の心配をしながらも、その間、夫への不信感はどんどんと膨れていきました。
どこで何をしているのだろう?
その疑問を抱いたまま、病院へ着きました。
彼は合宿中の出来事ということもあり「申し訳ありません」と何度も頭を下げました。
子供はそのまま入院という事態になり、私も泊まり込みの状態になりました。夫は相変わらず電話に出ず、連絡がついたのはその日の夜中。
「何をしてたの?」という問いかけに、平然と「仕事だ」と嘘をつきました。
この時、私はピンときました。
浮気……。
それはショックでしたが、それどころでもありません。子供の熱は下がらず不安で仕方ありません。彼は合宿を切り上げ、私と一緒に子供に付き添ってくれました。夜も眠らず、私の心配までしてくれました。
浮気をしているらしい夫への不信感と入れ違いに、この時、私は彼を全面的に信頼し、心を揺らしていったのです。
■夫の浮気が夫婦愛を冷めさせ、不倫愛を燃え上がらせる
子供は数日で退院しました。帰りは、彼の運転で自宅まで戻りました。
頼りにならない夫には、浮気問題を責めることはしませんでした。事を荒立てたくはなく、何も気づいていないふりをしました。この時から私の中には、夫への裏切りの気持ちが芽生えていたのだと思います。
数日後、退院祝いとお礼を兼ねて彼を食事に誘いました。子供を交えた食事でしたが、彼と話していると楽しくて現実を忘れてしまうほど。自分が結婚していることなんて記憶から消えてしまう感じでした。
それからは、私は彼を頼るようになりました。子供のサッカーのことだけではなく、仕事のことや子供の勉強のことままで、電話で話すようになりました。
私の方から彼を誘いました。「不倫をしよう」といったわけではありません。
ただ「一緒にいたい」と「二人で会いたい」という素直な気持ちを伝えました。
■望むものは何か?自問自答の日々
子供は小学校を卒業し、サッカーチームも卒業しました。彼は今でも子供たちにサッカーを教えています。
「カッコイイコーチ」と相変わらずママさんたちから人気です。私はひそかに自慢です。そんな「カッコイイコーチ」を独り占めしていることで優越感に浸ります。
夫は相変わらずの様子です。仮面夫婦でもいいと思っています。そのくせ彼とは終わりのない恋愛であることを望む、矛盾した私がいます。
不倫の体験談はいかがでしたか?
終わりのない恋愛が結婚であるならば、不倫は終わりある恋愛かもしれません。
いつかどこかで、何かが壊れるときがくるのでしょう。
それでも貫きたいのなら、全てを覚悟して不倫をすることもひとつの生き方なのかもしれませんね。
一未